@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:02000020, author = {クレインス, 桂子}, journal = {日本研究, NIHON KENKYŪ}, month = {Sep}, note = {本稿では、慶長14年7月25日付「阿蘭陀国主」宛家康書状について、ライデン大学図書館所蔵写し、以心崇伝「異国日記」における内容控と書状作成経緯に関する記事、エマニュエル・ファン・メーテレン『ネーデルラントおよび隣邦の歴史』(1614年)所収の同書状オランダ語訳を取り上げ、多角的に分析した。  家康書状の内容やその舞台裏の検討を通じて、君主間レベルにみられる最初期の日蘭関係の有り様を探求するとともに、同書状がオランダの日本における通商活動にとってどのような意義をもち、オランダでどのように受け止められたのかについて解明することが本稿の目的である。  まずは、写しの来歴を目録情報から確認し、旧所蔵者や関係者の追跡調査をおこなうとともに、家康書状に纏わるオランダ東インド会社文書の関連記述や写しの裏面に付された覚書を検討した。  続いて、「異国日記」における関連記事から同書状作成の経緯を紹介したのちに、控と写しを比較し、内容がほぼ同じであることを確認したうえで、書状内容の分析をおこなった。オランダに対する幕府側の認識について考察した結果、日本へ来航した蘭船がオランダから派遣された艦隊に所属するものであると幕府側が把握していたことを指摘するとともに、オランダ側からの通商交易開始の請願に対し、家康が積極的な歓迎姿勢で臨んだことを確認した。また、オランダ側から幕府側に伝えられた内容の推測を試み、通商交易のための友好同盟締結、商館設立と商務員配置の許可、オランダ船の往来と交易場所としての着岸地の確保など貿易に関する諸条件の請願を含んだものであったことを論じた。  さらに、ファン・メーテレン所収の家康書状のオランダ語訳文について、その翻刻文と和訳を掲載したうえで、オランダ語訳の分析を通じて、家康書状の内容に対するオランダ側における受容認識についての考察を試みた。オランダ側にとって重要な貿易通商に関わる点については、原文よりもオランダ語訳の方がより詳細に記されていることを指摘した。}, pages = {7--33}, title = {<研究論文>「阿蘭陀国主」宛家康書状 : 日本側とオランダ側の認識}, volume = {67}, year = {2023} }