@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000428, author = {二村, 淳子}, journal = {日本研究}, month = {Sep}, note = {本研究ノートは、フランス語日刊紙『東方月報(France-Indochine)』上で、岡倉覚三の英文三部作(『東洋の理想』『日本の覚醒』『茶の本』)を賞賛し、その思想に同意を示したファム・クイン(Phạm Quỳnh/笵瓊、一八九二~一九四六)の書評の日本語訳と解題である。, 岡倉の英文三部作は、フランスにおいて、英語原版とは異なるコンテクストで翻訳・出版され、受容された。興味深いことは、そのフランス語版が、出版側の意図を超え、フランス知識層だけではなく、旧インドシナ、なかでも、ベトナムの新学知識人たちによって熱心に読まれていたことである。, 扱うのは、ファム・クインが仏語で書いた、「東洋の理想」(一九三一年)と「茶の礼賛」(一九二九年)と名付けられた二つの記事である。これらは、岡倉同様に東西両洋の文化に深く精通したベトナム知識人ファム・クインによってフランス語で書かれたものであり、フランス語を経由した日越文化交渉の興味深い一資料だといえよう。, 評者のファム・クインは、ベトナムの近代文化の創生に一生を捧げた思想家・言語学者・政治家であり、阮朝大南国バオダイ帝(Bao Đại, 1918-1997)の右腕として活躍した経歴を持つ。, この二つの批評から、クインらベトナム知識人が、岡倉の文化論の本質を見極め、岡倉と同種の視点を共有しようとした様子が伝わってくる。, なお、本研究ノートの構成は以下の通りである。, 一―一 「東洋の理想」(ファム・クインによる『東洋の理想』と『日本の覚醒』の書評)の日本語訳, 一―二 右(「東洋の理想」)の解題, 二―一 「茶の礼賛」(ファム・クインによる『茶の本』の書評)の日本語訳, 二―二 右(「茶の礼賛」)の解題, [補遺] 本研究ノートに登場する人物の略歴, ファム・クイン著「東洋の理想」原文, ファム・クイン著「茶の礼賛」原文}, pages = {209--233}, title = {〈研究ノート〉フランス領インドシナにおける『東洋の理想』『日本の覚醒』『茶の本』 : ファム・クインの書評とその解題}, volume = {50}, year = {2014} }