@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000438, author = {ソブチェック, マウゴジャータ}, journal = {日本研究}, month = {Sep}, note = {本稿の目的は、東藤次郎旧蔵本『吉利支丹抄物』とルイス・デ・グラナダによって著されたサラマンカ版Guia de pecadores(『罪人の導き』)との関係を明らかにすることにある。, まず、『吉利支丹抄物』の最大部「一七日にわくる最初のめぢさんの七ヶ条」は全体として、ルイス・デ・グラナダ作とされるTratado de la oracion y meditacion(『祈りと黙想論』)の邦訳と認められるものの、スペイン語のGuia de pecadoresから直接の影響を受けていることを指摘することを主眼とする。, ルイス・デ・グラナダの著作に関する調査を進めていくうちに、『吉利支丹抄物』のさらなる章節である「くわん念の条々」も、Guia de pecadoresと密接な類似関係を有しながら、語句の面では現存する長崎版『ぎやどぺかどる』の訳文とは異なるものであることが明らかになってくる。それはすなわち、長崎版とは別に、また当時の典礼統一の原理から考えると、おそらくそれに先行したGuia de pecadoresの異訳、少なくとも抜萃的なものが存在したことを示すものである。, 続いて、本写本の内容と体裁の面に焦点をあて、その作成目的について検討する。本書は、「天的な恩恵」を含めて、黙想素材を中心に作られているが、この事柄は、十六世紀の説教マニュアルが推薦する、日本人の聴衆に最も適した説教素材と対応するものである。一方、本写本の体裁、とりわけ中に挟まれた余白丁もまた、説教マニュアルに指示された説教ノートの記入方法と一致するものである。, 最後に、民間的な指導者たる「看坊」が、説教の代わりに地元の信者たちに霊的な書物を読み聞かせていたこと、また読むべき書物の中で、Guia de pecadoresをはじめ、ルイス・デ・グラナダの著作が大きな割合を占めることを考えると、彼の著作に基づく『吉利支丹抄物』は、説教素材を集めた実用的なノートとして意図されたものと結論付けられる。}, pages = {35--54}, title = {東藤次郎旧蔵本『吉利支丹抄物』とGuia de pecadoresとの関係について}, volume = {48}, year = {2013} }