@book{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00005151, note = {序 『荒魂』をあらたまって読む : A More Formal Reading of Aratama / ウィリアム・J・タイラー 1 石川文学研究、二つの傾向 2 四十四年前、『荒魂』の時代背景 3 四つの思想、二つのバケモノ 4 『たま』の芸術性・架空性 5 結末に向かって 第Ⅰ部 石川淳 : 敗戦後一〇年 1 空白の〈帝国〉 : 石川淳「窮菴売卜」その他 / 日高昭二  1 「いくさ」の後に  2 ペンと筆  3 文字の帝国  4 表記の先端  5 「帝国」の表象  6 ペンの運動 2 無頼の使徒 : 石川淳の戦後十年、太宰治・坂口安吾を超えて / 竹内清己  1 発端 : 無頼の使徒  2 石川淳追悼記念号  3 戯作・無頼の否定論、肯定論  4 新戯作派・無頼派の初期論議  5 石川淳における無頼  6 帰結 : 無頼の日本文学 3 石川淳作品史論・一九四五~五五年 : 〈焼跡〉から〈革命〉へ / 山口俊雄  1 敗戦後、「鷹」までの作品史通観  2 〈革命小説〉「鷹」「珊瑚」「鳴神」「虹」  3 〈革命小説〉の位置付け 4 占領期の石川淳文学と〈革命〉の主体 : 「わたしといふ人民」 / 安原義博  1 韜晦と可能性の政治概念 : ポピュリズムと「わたしといふ人民」  2 石川淳の民主主義革命と占領期  3 『鷹』における革命的主体としての國助、シュールレアリスム、反転する平和のモチーフ  4 可能なる生活 第Ⅱ部 敗戦後作品の世界 5 石川淳の「焼け跡のイエス」をめぐって / ロマン・ローゼンバウム  1 物語の背景  2 「焼け跡のイエス」を評価するための新規な方法論に向かって  3 過渡期的な空間としての焼け跡闇市  4 「焼け跡のイエス」 : 風俗相からカーニバル性の作品像へ  5 通過儀礼としての戦後  6 焼け跡の少年像 : 超越的な宗教イメージから過渡期に現れる道化役へ  7 「焼け跡のイエス」としての適例 : 野坂昭如  8 「焼け跡のイエス」の意味に向かって 6 『燃える棘(とげ)』の構造と生成 : 裸形の女人像をめぐる否定の精神 / 水谷真紀  1 戦前と敗戦後の連続性  2 生の亀裂としての敗戦  3 裸形の女人像をめぐる否定の観念  4 「素はだか」の思想 7 「修羅」を統べる〈ヒメ〉の力 : 〈史〉の破棄と胡摩の造形 / 安西晋二  1 「実在の人間の生活」 : 「修羅」の方法  2 足軽を描くこと : 「修羅」の歴史的背景  3 出生と怪異性 : 胡摩の造形  4 〈史〉を破棄する存在 : 〈ヒメ〉としての胡摩  5 「今」への執着 : 「修羅」を統べる力学 8 石川淳とパフォーマティヴィテ : 野坂昭如と比較する / コルベイ・スティーブ  1 焼跡と闇市  2 パフォーマンス理論  3 石川淳と野坂昭如の小説におけるパフォーマンス  4 『黄金伝説』  5 『エロ事師たち』  6 石川と野坂のパフォーマンスについて 9 石川淳のフィクションにおけるイメージの動き : 一九三五~五四年 / ポルティエ・ヴァンサン  1 「イメージ」から石川淳を見る  2 理想と現実の対立から生まれる小説  3 現実を理想で作り直そうとしている「わたし」  4 「山桜」・理想の崩壊  5 「円融」を築くイメージ  6 「座標」で世界を把握する努力  7 戦争へ入る日本に対する戸惑い  8 物質的な現実を表すようになるイメージ  9 キリスト教のイメージの登場の過程  10 キリスト教のイメージがもたらす希望  11 空虚な戦後の世界が満たされる  12 閉鎖された空間から開いた空間へ  13 物質を心理の法則で動かす小説  14 意味のあふれた世界を作るイメージ  15 アイデンティティの損失を描く作品?  16 心理の動きは物質を通して現れる時  17 様々な次元において展開する「話」  18 「意外さ」という論理による文学  19 現実を問うこと  20 石川淳の立場  21 イメージの性質の変化 第Ⅲ部 敗戦後の文化状況のなかで 10 石川淳と演劇 : 「千田是也演出のために」の射程 / 鳥羽耕史  1 石川淳の演劇・戯曲受容  2 千田是也の軌跡と創作劇振興  3 「おまへの敵はおまへだ」の上演まで  4 「一目見て憎め」上演と一九六〇年代演劇における意味 11 アルベール・カミュ受容史における『夷齋俚言』 / 重松恵美  1 『夷齋俚言』成立考  2 カミュ読書録としての『夷齋俚言』  3 カミュ紹介史における石川淳の役割  4 カミュ評価史における石川淳の位置づけ  5 〈いかに生きるべきか〉  6 〈人間を手段としてはならぬ〉  7 反抗論(抵抗論)としての『夷齋俚言』 12 石川淳と本居宣長 : 宣長を学ぶべく奪ふべし / 吉川宜時  1 玉垣の中の宣長  2 「よき人」像の充実と「もののあはれ」の発展  3 「もののあはれを知る」神々  4 『新釈古事記』の『古事記傳』受容  5 「漢様にしもたれるは、天智天皇と、藤原大臣との御心より出つ」  6 学ぶべく奪つて食ふ 講演 江戸文学と石川淳 / 池内紀 第Ⅳ部 石川淳 : 六〇年代以降 13 『荒魂』 : 運動する象徴主義 / 鈴木貞美  1 黒い哄笑  2 時代背景  3 スタイル  4 神話的趣向  5 性のエネルギー  6 クーデター  7 大正生命主義の復活、その他 14 一九六八年の運動を振り返って : 『天馬賦』再読 / マッツ・カールソン  1 『天馬賦』を読む  2 『天馬賦』の曖昧さ  3 絶対自由の追求  4 経験の画確認  5 表象構造とアイデンティティー  6 石川淳と三島由紀夫 15 見せかけの世 : 『狂風記』における表層と深層 / ヘレン・ウィートマン  1 ストーリーにおける表層  2 テキストにおけるバフチン的格下げ 16 『天門』論 : 『逃遁(のがれ)の邑(まち)』について / 李忠奎  1 果樹園と罪  2 恋と女性 石川淳年譜 / 渡辺喜一郎 あとがき / 鈴木貞美 附録 ウィリアム・J・タイラー『荒魂』翻訳遺稿}, publisher = {ミネルヴァ書房, 国際日本文化研究センター}, title = {石川淳と戦後日本} }