@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000523, author = {クレインス, フレデリック}, journal = {日本研究}, month = {Nov}, note = {本稿では、幕末の日本に滞在したオランダ軍医ポンペ・ファン・メールデルフォールトの著作『日本滞在見聞記』を取り上げ、その中の日本史に関する記述を注釈を付けて和訳した上で、典拠などと照らし合わせて分析し、ケンペル、ティチング、シーボルトの日本研究の系統を受け継いだポンペの日本史観がいかなる特殊性を有するものかについて論じた。, 分析の結果、ポンペの日本史観には次の三つの特徴があることを指摘した。, 一つ目は、ポンペが先達の日本史研究を拠り所にしながらも、幕府の成立したその過程において重要な役割を果たした源頼朝、豊臣秀吉、徳川家康という人物について当時の読者に対して多くの新しい情報と詳細な分析を提供していることである。この点においては、ポンペは従来の文献研究から離れて、日本史について直接日本人から情報収集を行っていたとの結論に至った。, 二つ目は、ポンペが西洋の日本史関係著者の中で初めて政治形態を基準にして、日本史の動きの大勢を的確に捉えられる明瞭な時代区分を行ったことである。この点においては、ポンペの視点はケンペルのキリスト教的史観やシーボルトの民族学的史観のような従来の西洋的視点と異なることを指摘した。, 三つ目は、ポンペがオールコックをはじめとする同時代の他の西洋人の日本関係著者と異なり、天皇を日本の真の主権者として位置づけて、天皇と将軍との関係史を通じて幕末の政治的事情を解明しようとしていることである。この背景に天皇の復古主義の影響が見受けられることを指摘した。}, pages = {319--356}, title = {<研究資料>ポンペの日本史観}, volume = {40}, year = {2009} }