@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000546, author = {陸, 留弟}, journal = {日本研究}, month = {Mar}, note = {「茶芸」は、中国の茶文化のうちで秘やかに育まれてきたものである。古来飲茶は渇きの癒し、精神高揚、友との交わり、縁結びなど「楽」という文化的要素として親しまれてきたが、茶芸の命は、良い茶、好い水、佳い器という基本的要素によって基礎付けられている。, それに対して、日本の「茶道」は「楽しみ」という要素に否定的であるように見受けられる。即ち「茶の湯によって精神修養をし、交際礼法を究める道」として仕上げられてきたからである。より具体的には、茶道は型、気遣い、美術、禅宗などを重要な要素に大成されたのである。, 中国の茶芸はいつも「良い茶」と「好い水」と「佳い器」を強調し、楽しい「芸」として実践されてきた。茶芸は飲茶の外面を捉えて規定する姿勢が強い。それに対して、茶道は「もの」を通じて日本人の内面、即ち精神的構造を理想的な境地にまで高度化する傾向が強い。, このように概観するなら、茶芸を中国人が「身心快楽」を優先的に味わう楽しみのお茶、茶道を日本人が「心身苦寂」を究めるような嗜みのお茶と考えることができるだろう。この二つのお茶には、それぞれ「楽」と「苦」、「快」と「寂」の世界が対照的に展開されているのである。, 「快楽」主義的な飲茶からは、「客来敬茶」(客を茶でもてなす)、「以茶養身」(茶で体を癒す)という茶芸が派生し、精神修養的な飲茶からは「和敬清寂」、「修身得道」(身を修め、道を得る)を精神とする茶道が生じたと言いかえてもよい。}, pages = {13--53}, title = {茶芸と茶道における諸要素 : 中国茶芸の歴史、文化、習慣、特徴と日本茶道の型・気・美・禅}, volume = {37}, year = {2008} }