@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00005579, author = {韓, 玲玲}, journal = {日本研究, Nihon Kenkyū}, month = {Mar}, note = {本論では、北村の満洲時代の短編連作小説『或る環境』を取り上げ、この小説の構成内容およびその社会的背景を示す歴史的文献を紹介して、作中人物の異民族に抱いている態度に触れてみたい。, 北村は1904年に東京に生まれ、幼い頃関東州の大連に渡った。そこで10年間の少年時代を送った後、日本に帰り、文学活動をスタートさせた。東京で北村は個人誌『文芸プラニング』を創刊したり、『作品』『青い花』『日本浪漫派』などの雑誌に関わったりして、日本文壇から注目された。しかし、1937年、北村は満洲国の首都・新京に赴き、そこで大陸土着の文学を志すことになった。新京では、北村は雑誌『満洲浪漫』を創刊するほか、長編小説「春聯」などを発表し、満洲国唯一の職業作家となった。戦後、彼は『北辺慕情記』など、満洲を題材にした著述を多く書き残した。, 「或る環境」は、1939年から1941年にかけて、種々の雑誌に断続的に掲載された、全12篇の短編からなる。「満洲の阿片王」と呼ばれた人物を中心とする特異な環境のもとで、日々、成長していく主人公。その少年が観察する日本人と中国人の生活相は、この小説の大きな見どころである。このシリーズには、北村自身の自我の形成過程が生き生きと記録されている。また同時に、この作家が、文学を通して異民族との共生を求めていたことも映し出されている。その意味で、「或る環境」は北村文学における一番の問題作であり、世に知られざる代表作だといえる。}, pages = {169--180}, title = {<研究資料>北村謙次郎の小説シリーズ『或る環境』とその社会的背景 : 一九一〇~二〇年代の大連}, volume = {51}, year = {2015} }