@book{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00005819, note = {序章 うたに脈あり : 民謡の通文化的研究に向けて / 細川 周平 1   民謡、この面妖なもの 2   もうひとつのあらすじ 第I部 民謡を考える : 概念の形成史 第1章 黎明期の民謡収集・研究とヘルダーの「民」の概念 / 阪井 葉子 1   ヘルダーの民謡論と「民」の概念     「無学で感覚的な民」 : 古い歌謡へのまなざし    「野生の民」 : はるかな土地へのまなざし     社会的な距離からみた民 2   批判者ニコライ 3   ロマン主義化された「民」の概念 : アルニム、ブレンターノとグリム兄弟 4   「民」概念の変容と第二次大戦後のヘルダー評価 第2章 インドにおける「フォーク」概念の変遷と特徴 / 井上 貴子 1   インドの言語政策と「フォーク」概念 2   サンスクリット語の音楽理論書の記述 3   英領期における「フォーク」概念の導入 4   独立後の「フォーク」概念と対応する現地語    ヒンディー語の場合、タミル語の場合 5   独立後の「フォーク」の定義と芸能の分類 6   「フォーク」概念の地域性と政治性 第3章 憂鬱の系譜 : 黒人コミュニティ向けの定期刊行物にみる「ブルース」の変遷 / 大和田 俊之 1   憂鬱の研究史 2   憂鬱の病理学 3   憂鬱の音楽学 4   憂鬱のモダニティ 第4章 ローマックス父子の活動 : 「民謡」から「歌唱様式」へ / 柿沼 敏江 1   初期の民謡研究における「民謡」概念 2   カウボーイ・ソングと黒人の歌 3   ニューディール時代と『我らが歌の国』 4   歌唱様式へ 5   「オーセンティシティ」再考に向けて 第5章 柳田民謡論の可能性 : 歌の発生とその伝承の「場」をめぐって / 武田 俊輔 1   メディア論としての柳田民謡論 2   1920~30年代における「民謡」とメディアの位相 3   「流行唄」と「民謡」と : 民謡の「新しさ」と表現の自発性 4   「民謡」生成の「場」 : 発生のメカニズムとオーディエンス論 5   メディアの重層性と「場」への考察 第6章 兼常清佐の民謡論を読む / 藤田 隆則 1   日本音楽研究者としての兼常清佐 2   兼常の民謡研究     兼常の生涯、第二期、第四期、民謡研究の最終地点、博士論文の概要 3   民謡旋律のモデル化    民謡の旋律、基本の三音、基本の三音からの下行と上行     無造作かつ冗長?、基本の三音から展開するパターン    曲としての形式、第二句目類別の含意、基本の三音の射程 4   シラブル間緩急処理     言語への自己規制、言葉と歌の調和    言葉の意味がわからなくなる原因、シラブル間緩急処理     具体的観察と対照の方法 5   兼常の民謡観    言語の一種としての民謡、名もない草花としての民謡 第7章 『日本民謡大観』前夜 : 町田嘉章の初期の民謡調査 / 島添 貴美子 1   町田嘉章と民謡 2   町田の民謡調査    民謡の「採集」、採集手帳にみる現地調査 3   『日本民謡集成』にみる資料の整理と分析     『集成』の目的、柳田民謡分類案の修正、名称の付け替え    面としての仕事歌の分布 第8章 統合する「民謡」、抵抗する「民謡」 : 南北朝鮮における「民謡」概念の相違をめぐって / 林 慶花 1   民族を結ぶ「民謡」という幻想 2   「民謡」概念の導入 3   新しい「民謡」創出をめぐる南北朝鮮の歩み 4   抵抗の記憶を蘇らせる : 1980年代の韓国における民衆歌謡運動 第Ⅱ部 民謡を伝える : メディアの役割 第9章 ホールでうたう : 大正期における演唱空間の拡大と民謡の位置 / 長尾 洋子 1   はじめての全国民謡大会 2   ホールへの視座 3   寄席から劇場へ : 安来節 4   神田の青年会館、錦輝館、和強楽堂     追分節の東京進出    後藤桃水による「準備工作」 : 追分節から民謡の普及へ 5   ホールの効用 第10章 沖縄音楽レコードにおける〈媒介者〉の機能 : 1930年代・日本コロムビア制作のSP盤を対象として / 高橋 美樹 1    近代沖縄音楽の録音と〈媒介者〉 2    レコード会社との媒介     沖縄音楽レコード制作の経緯、録音された沖縄音楽の主なジャンル 3    歌手・演奏家との媒介 4    日本コロムビアのレコード制作      1930年代~40年代における制作活動、レコード制作システム 5    媒介者としての喜舎場永珣 6    沖縄音楽レコードの歴史的意義 第11章 かっぽれ百態 / 竹内 有一 1    「かっぽれ」への視座 2    「かっぽれ」の原拠は何か      和歌山民謡との関連性、近世の俗謡(はやり歌)との関連性 3    「かっぽれ」の完成まで      大道芸で「暢気社会を驚かせてやらう」、大道芸から大芝居へ      九代目團十郎の「かっぽれ」 : 歌舞伎台本からわかること     レコード吹き込み : 梅坊主の十八番から伝承芸へ 4    流転する「かっぽれ」      陸軍による編曲と吹奏楽、国葬の「かっぽれ」 : 選曲は正しかった!?     さらなる国境へ、五線譜出版      もうひとつの「かっぽれ」 : シーボルトのBoo-su-ni kappore 5    「かっぽれ」の精神 : 「フラメンコかっぽれ」に継承されたもの 第12章 ハワイの盆踊り歌 : 日系ディアスポラ文化としての民謡の形成 / 早稲田 みな子 1    ハワイの盆踊りの歴史 2    ハワイ「福島音頭」の変容     ホノルルの「福島音頭」=「相馬盆唄」=シティー・スタイル      エヴァとマウイの「福島音頭」=プランテーション・スタイル=「福島盆踊り唄」(?) 3    ハワイ「岩国音頭」の変容     日本の「岩国音頭」のレパートリー      ハワイの「岩国音頭」のレパートリー     ハワイの「岩国音頭」に残る古い特徴 4    ホームとつながりつつ変化するディアスポラ文化 第13章 ハワイ日系人の「ホレホレ節」 : ハリー・ウラタの取り組みと影響 / 中原 ゆかり 1    「ホレホレ節」の復活とハリー・ウラタ 2    「ホレホレ節」との出会い 3    旋律への興味と保存への意欲 4    正調「ホレホレ節」へ 5    うたわれる「ホレホレ節」 6    「ホレホレ節」復活の意味 第14章 歌の実践にみられる「田舎」の創造 : キューバのプント・グァヒーロをめぐって / 倉田 量介 1    キューバの民謡 2    「農民音楽」とは      種類、楽器、演奏の目的、録音メディアおよび放送メディア 3    「農民音楽」の実践者 4    現地の民族学者による「農民音楽」の解釈をめぐる考察 5    「農民音楽」を取り巻く今日の環境 第15章 ベネズエラ民謡「ホローポ」の創造 : 知識人と民衆知 / 石橋 純 1    「民謡」以前 : ファンダンゴへのまなざし 2    「ベネズエラ民謡」ホローポの誕生 3    ホローポの民衆知     楽器編成、和声循環の型と即興演奏、ノリの裏表とその転換 4    「本物」のホローポ発見と大衆音楽化      大衆音楽ジャンルとしての「民謡」の成立、民謡ブームの寵児たち     都市教養層とホローポ 5    民衆文化をめぐる価値転換      新しい歌と都市弦楽、ノリの客体化 6    民衆文化と都会人 第16章 「ダニー・ボーイ」は戦争に行った : 歌から立ちあがってくる物語 / 森 博史 1    曲名不詳のメロディから「ロンドンデリー・エア」へ     「曲名不詳」のメロディ      アイルランド系文化人と「ロンドンデリー・エア」     イギリス音楽界における「ロンドンデリー・エア」      曲の出自に対する疑問と探求 2    「ダニー・ボーイ」とその作詞者ウェザリー     「ダニー・ボーイ」という詩作品、歌詞に見られるふたつの要素      失われた第三スタンザ?、バラッドの継承者 3    合衆国における「ダニー・ボーイ」     歌手のシューマン=ハインク      自由公債販促キャンペーン(Liberty Bond Campaign)     「兵士の母」(Soldier's Mother) 4    映画『ダニー・ボーイ』と戦争がつくりあげる物語 第Ⅲ部 民謡をつくる : 創作と編曲 第17章 19世紀ブダペストの「民謡」 / 横井 雅子 1    “まちがって民謡とみなされていた”歌 2    当時の“民謡”をめぐって : 19世紀における民謡集を手がかりに 3    多様な都市住民のための娯楽と“民謡”      ブダペストの市民たち、新たに市民が欲した“民謡” 4    人々が“民謡”に求めたもの 第18章 バルトーク『子供のために』をめぐって / 伊東 信宏 1    『子供のために』の位置 2    『子供のために』の成立と版 3    以前の編曲との比較 4    第Ⅱ巻第34番「葬送」 5    その後の民謡編曲作品 第19章 どうして沖縄ふうなんだろう : 英系米民謡の旋律変形 / 三井 徹 1    沖縄的音階版「プリティ・ホリー」の譜面 2    沖縄的音階版の間接音源 3    1927年のB. F. シェルトン版 4    1937年のE. C. ボール版 5    シェルトン版とボール版の比較 第20章 〈民謡〉から流行歌へ : タイのラムウォン歌を中心に / 松村 洋 1    タイ歌謡     王都の歌・地方の歌、プレーン・タイ・サーコン 2    ラムウォンの誕生      ラムトーンからラムウォンへ     ピブーンソンクラーム政権のワッタナタム政策、ラムウォンの近代性 3    流行歌とラムウォン      広報局洋楽団、ルークトゥン歌謡に流れ込んだラムウォン 4    近代化と伝統歌謡 第21章 ジャズ民謡の系譜 : 忘れられた雑種音楽 / 細川 周平 1    いつもの、それとも新奇な組み合わせ? 2    鳥取春陽 : 道頓堀でジャズる 3    服部良一と門下生 : スウィング編曲の完成 4    杉井幸一 : ジャズもタンゴも乗り越えて 5    ジャズ民謡をめぐって 6    戦後の流れ : 海外ジャズ界との接触 7    民族性と陳腐性 8    間歇的・発展的継承 9    ジャズと民謡の収斂と離散 第22章 三橋美智也とうたごえ運動 : 昭和30年代における「民謡」の地位 / 輪島 裕介 1    民謡は戦後に隆盛した? 2    三橋美智也の民謡調流行歌     民謡的歌唱法・「望郷」モチーフ・「勤労学生」イメージ 3    左派・進歩派による流行歌批判と肯定的民謡観      「俗悪文化」としての「日本調」歌謡、左派・進歩派の「民謡」概念 4    三橋美智也の民謡観 5    「民謡」の拡散     ジャズ/ポピュラーのレパートリーとしての「民謡」      三橋美智也「達者でナ」(1960年)     「民謡の時代」としての昭和30年代 第23章 三輪眞弘「東の唄」と「ありえたかもしれない民謡」の虚実 / 岡田 暁生 1    三輪眞弘と「フィクション」 2    柴田理論とアルゴリズム 3    「東の唄」と「日本民謡」の換骨奪胎 4    「ありえたかもしれない」から「ある」へ あとがき / 細川 周平 事項索引 人名索引 執筆者紹介}, publisher = {ミネルヴァ書房}, title = {民謡からみた世界音楽 : うたの地脈を探る} }