@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000591, author = {西槇, 偉}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要, BULLETIN OF THE INTERNATIONAL RESEARCH CENTER FOR JAPANESE STUDIES}, month = {Mar}, note = {近代中国の作家であり、画家でもあった豊子愷(一八九八―一九七五)がもっとも愛した日本の文学者は夏目漱石であった。豊子愷の文学作品には漱石からの影響があると思われるが、作品のレベルの比較研究はようやく始められたばかりである。本論では豊子愷の小品「帯点笑要(ちょっと笑ってください)」(一九三六)に焦点をあて、漱石の『硝子戸の中』(二)(一九一五)との関連を究明する。, 両作品はともに、肖像写真を撮影する際に、「ちょっと笑ってください」といわれることに反感を抱く主人公を描き、そして写真においてなぜ作り笑いを拒否しようとするかなどの分析や批評を主要内容とする。ストーリーの状況設定、クライマックス、結末には相違が見られるものの、表現やテーマに共通点が見出され、「帯点笑要」は『硝子戸の中』(二)にモチーフを得て、発展的に再創作した可能性があるといえる。, 比較検討を通して、豊子愷文学の特色もいろいろ浮き彫りになった。まず、画家としてモチーフを敏捷に摂取するという特徴が彼の文学にも見出しうること。それから、彼の文学には社会への意識が強く、事象を普遍化、概念化する傾向があること。さらに、彼は私的な日常瑣事を作品化することが多いが、そのことが作家「豊子愷」のイメージ形成に重要な役割を果たしたこと。最後に、美術的な観点からの考察を加味し、彼は芸術的色彩豊かな作品に作り上げていったことなどが挙げられる。}, pages = {165--178}, title = {響き合うテキスト(二) : 豊子愷の「帯点笑容(ちょっと笑ってください)」と漱石の『硝子戸の中』(二)}, volume = {34}, year = {2007} }