@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000599, author = {西槇, 偉}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Oct}, note = {豊子愷(一八九八―一九七五)は画家というのみでなく、多くの小品散文を創作した中国近代の文学者としても知られる。彼の文学は日本文学と深い関わりがありながら、これまで作品における検証はまだほとんど行われていない。本論では、小品「蝌蚪」(一九三四)を夏目漱石の「文鳥」(一九〇八)とラフカディオ・ハーンの「草ひばり」(一九〇二)との比較を通して、豊子愷文学における外国文学の影響を探ると同時に、新たな視点からの読みを試みる。, 豊子愷が「蝌蚪」を創作した時期、『漱石全集』を愛読し、また彼はハーンの『虫の文学』(一九一二)に言及したことがある。よって、彼が「文鳥」や「草ひばり」を読んだと思われる。作品の構造、表現技巧に関しても、「蝌蚪」は「文鳥」や「草ひばり」とそれぞれ共通するところが見られる。よって、「蝌蚪」は他の二作品から影響を受けた可能性があるといえる。文学者の書斎で大切に育てられる文鳥や草ひばりと違い、豊子愷がオタマジャクシを題材としたのは、その通俗性に着目したからであろう。彼は当時大衆作家と目されていた。, 画家として、モチーフや構図を摂取し再創作するという彼の才能が、文学においても発揮されたと考えられ、外国文学との関連性が今後さらに注目されるべきであろう。}, pages = {55--72}, title = {響き合うテキスト : 豊子愷と漱石、ハーン}, volume = {33}, year = {2006} }