@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000612, author = {ルービン, ジェイ}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Mar}, note = {能は舞台芸能であるから、舞台抜きの文学作品としては完全に鑑賞することはできない。しかし、演能のベースになる謡曲の重要な文学的要素を無視しては舞台の能を完全に鑑賞することもできない。能は一種の舞だと言っても、抽象的な動きだけでなくて、ストーリーを語る舞だから、そのストーリーを―つまり、舞台の彼方の、聴衆の想像の中に展開する部分を―理解して初めて舞の意味が分かってくる。言い換えれば、謡曲を独立した文学作品として読んでも、演能の台本として読んでも、謡曲の文学的分析が能鑑賞の不可欠の部分である。そういう文学的分析の効果的なガイドになるのは、能の曲目を五つの種別に分ける、江戸時代にようやく発展した「五番立て」(ごばんだて、「五番立」とも)という、上演システムである。五つのカテゴリーが五つの文学的表現法を前提とするので、特定の曲がどのカテゴリーに属するかを知っておけば、その謡曲または曲全体がどういうテーマやムードを表現するかを定義するための大きな手がかりとなる。五番立ての五つのカテゴリーとその表現様式は次の通りである。1、神能(感歎様式)、2、修羅物(叙事様式)、3、鬘物(叙情様式)、4、四番目物(狂乱物、遊樂物、遊樂執心物、人情物、現在物、怨霊物などを含む)(演劇様式)、5、鬼物(スペクタクル様式)。ここではカテゴリーと様式を踏まえて、一四曲の能のテーマや表象などの伝統的な文学的要素を分析して、具体的な例を提供してみる。}, pages = {207--218}, title = {<共同研究報告>舞台の彼方へ : 共同研究「生きている劇としての能 : 謡曲の多角的研究」への導入}, volume = {32}, year = {2006} }