@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00006249, author = {大石, 真澄}, journal = {日本研究, NIHON KENKYŪ}, month = {Mar}, note = {本研究ノートは、日本の戦後、特に1950~70年代に科学・専門的知識がいかにしてビジュアルイメージとして受容されてきたか、の解明に関する分析の一部である。このために、学習図鑑を対象として、その書面の形式および書式に注目することで、受容者の経験を復元するという作業を行う。, 一般的に学習図鑑には「種の同定」という受容者の行為が伴うことが想定されている。しかし、対象年代の学習図鑑を概観するとそうではなく、知識について受容者に理解させることを目的としているものが見られる。そこで、本分析では種の同定に関わらないジャンルである「機械」を事例に、学習図鑑ではいかに知識が「説明」されてきたか、という点に目を向ける。, 分析の結果、機械の学習図鑑では当初、機械についての説明はその構成要素の空間的パースペクティブにおける構造位置の把握を目的として行われていた。しかし、その説明は次第に機械の作動の時間的シークエンスの把握を目的とすることに移行していく。, そしてこの移行は、本文ないしキャプションによる説明が伴わなければ理解が達成できない「内部の構造を示す図」の提示から、説明無しないしは非常に限定的な説明で理解が達成できる「図解」という書式への移行によってなされていた。, 学習図鑑においてこの「図解」という書式は、主として「見開き完結」という書面上のフォーマットであることで可能になっていた。それは、図版の意味合いを本文のコンテクストから断絶し、小見出しとサブタイトルによって意味を限定的に与えることで、本文と図版との関連を切り離すことが可能だったからである。, ここから、学習図鑑のそれとしての現在的なあり方は、見開き完結というフォーマットが、図版の独立性に際して寄与するようになることで成立したことが、機械という事例からは見えてくる。すなわち、図版の意味上の独立性をもって学習図鑑は現在のような形になったといえるのである。}, pages = {183--214}, title = {<研究ノート>学習図鑑において知識の解説と提示はいかにして行われてきたのか : 見開き完結フォーマットをめぐる意味受容の変遷から}, volume = {52}, year = {2016} }