{"created":"2023-05-15T13:45:07.690998+00:00","id":646,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"b1e44fdf-9ed5-4a66-abb0-67f9f5d36f71"},"_deposit":{"created_by":31,"id":"646","owners":[31],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"646"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000646","sets":["192:214"]},"author_link":["19205","19204"],"item_5_alternative_title_20":{"attribute_name":"その他の言語のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"The Efflorescene of Japonisme in Poetry : Couchoud and the Background to the Publivation of an Anthology, \"Haï-kaïs\" in NRF (1920)","subitem_alternative_title_language":"en"}]},"item_5_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2004-12-27","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"89","bibliographicPageStart":"37","bibliographicVolumeNumber":"29","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"日本研究 : 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一九二〇年九月には、二〇世紀フランス文学を担った『N・R・F』誌の巻頭に「ハイカイ」アンソロジーが花開いたのである。ダダの芸術革新運動がパリで推し進められていた時期に、同誌には、詩人や作家――ジャン・ポーラン、ポール・エリュアール、ジュリアン・ヴォカンス、ジャン=リシャール・ブロックなど一二人によるフランス・ハイカイ八二編がクーシューを筆頭に発表された。これはフランスにおける詩歌のジャポニスムの開花とも呼ぶべき、画期的な出来事であったと考えられる。同誌の刊行された一九二〇年を、フランスの文芸評論家は「ハイカイの年」と呼んでいた。この「ハイカイ」掲載が導火線となって、フランスでは一九二〇年代に、「詩法」などの優れたハイカイ集や二八三編のハイカイ選集などが次々と発表され、さらに俳句の受容はリルケなどヨーロッパの芸術家たちにも及び、文学の領域を越えて音楽の分野にも波及していった。\n 本稿では、『N・R・F』誌に「ハイカイ」の掲載が実現するまでの過程について、クーシューの俳句紹介の活動、特に著書『アジアの賢人と詩人』刊行以後を軸に、関係一次資料をたどりながら、考察する。主な資料は、ベルナール・バイヨーによって近年発表されたクーシューやポーランの書簡及び筆者が収集したクーシューの未発表書簡他である。\n 以上、資料を検討することによって、次のことが浮き彫りにされた。\n (1) クーシューの書はフランスの詩人や作家たちに新しい詩のヴィジョンを啓示し、ハイカイの創作活動を触発した。同書を読んだポーランは、論文「日本のハイカイ」(一九一七)を発表し、俳句に「純粋な感覚にきりつめられた詩」として共感し、「日欧の人々が共有する感動の言語を創造すること」という普遍的なポエムを感得した。彼は、友人のダダの詩人エリュアールに、注目すべき同書のことを一九一九年三月に書簡で知らせており、その書に関心を抱いていたエリュアールは同書を読んだらしく、同年五月に自作のハイカイ作品を手書きで記し、ポーランに送っている。また作家ブロックも一九二〇年一月にクーシューの書を読み、啓発されて多くの作品を創作していた。\n (2) クーシューの俳句活動の全容、俳句の紹介と創作の他に、ハイジンの会合をも主宰していた事情が明らかになった。クーシューは大戦中、軍医の任にありながら、ハイジンの会合の開催にも心を傾け、大戦後一九一九年五月一一日に自宅にハイジンたちを食事に招き、初会合を催した。その招待状をポーランとヴォカンスに送っているが、エリュアールらを含めて六人を招いている。クーシューはフランス・ハイカイの「座」の結成ともいえる活動も行っていたのである。\n (3) 興味深いことには、エリュアールが自作のハイカイ作品をポーランに送っている時期は、この会合の後、五月末のことであり、ポーランもその返事に自作の作品を添えている。翌一九二〇年初めには、エリュアールの誘いを通じて、クーシューとヴォカンスの二人が、ポーランばかりではなく、ダダの集会に出席している。ハイジンの集いが契機となって、ハイカイの創作意欲やハイジンたちの文学交流も次第に深まっていったことがうかがえる。\n (4) 『N・R・F』誌「ハイカイ」掲載の経緯についてであるが、その口火を切ったのは、ブロックである。彼は同誌編集長ジャック・リヴィエールに、一九二〇年三月、自作のハイカイを送っていた。同年五月、これを「ハイカイ」アンソロジーの企画へと発展させたのは、秘書のポーランであった。彼はリヴィエールやヴォカンスの支持や協力を得て、その編集を同年九月の発刊までひたむきに手がけたのである。このアンソロジーの発案とその編集の大きな契機となったのは、彼が参加したハイジンの会合やクーシューの活動であることがうかがえる。このアンソロジーには、ハイジンの会合の招待者六人全員の作品がクーシューを筆頭に掲載され、その前書きに「クーシューのもとに、ハイカイの作り手一〇人が初めてここに集い」と記されている。また、将来ハイカイがソネットのような新しい詩の領域を開くことへの冒険と期待も表明されている。同アンソロジーの発刊の背景にはクーシューの書や会合に啓発されたポーランのハイカイという新しい詩へのヴィジョンが、また俳人たちの新文芸への情熱が反映していることが考えられる。\n ポーランは、フランス・ハイカイが、浮世絵がフランス絵画に革命を促したように、将来、詩の分野に革新をもたらす可能性を予見して、クーシューを始めとするハイジンの活動成果を文壇にいち早く提示したかったのではないだろうか。","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_5_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"19205","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"SHIBATA, 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