@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000683, author = {日野, 資成}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Apr}, note = {動詞「出す」は「ある領域にあるものをその領域外へ移す動作」を表す。この動詞「出す」が複合動詞中に現れるとき、その意味・用法は、動詞「出す」に比べてどのように変化するのであろうか。, 日野(二〇〇一)では、まず「動詞・形容詞問題語用例集」(西尾・宮島編、一九七一)より、複合動詞を作る生産性の高い順に動詞一九語を抜き出した。その中の一つである「出す」については全部で六二語の複合動詞が挙げられている。それらの複合動詞から、寺村(一九八四:一六七)の公式によって九語の複合動詞を抜き出し、その後項要素を補助動詞とした。補助動詞は、「外へ」の方向性のみを抽出するもの(「浮き出す」「思い出す」「突き出す」「飛び出す」「乗り出す」「噴き出す」「踏み出す」)と、意味が空間から時間に抽象化し「―し始める」の意味になるもの(「泣き出す」「降り出す」)に分類した。, 今回は、補助動詞だけに限らず、すべての複合動詞を検討の対象とし、(1)複合動詞「―出す」を統語論的、意味論的に分類すること、(2)動詞「出す」と複合動詞中の補助動詞「―出す」との統語論的、意味論的関係を明らかにすることを主眼とする。, まず、『逆引き広辞苑』(一九九二)より、「―出す」を含む複合動詞を一二四語取り出した。それらを、「V1(連用形)て出す」と言えるかどうかという統語論的テストによって二つに分類した。つぎに、「V1て出す」と言える語については「目的語がV1の動作主の領域外から領域内へ移動するか」によって意味的にさらに下位分類し、「V1て出す」と言えない語については「V1出る」と言えるかどうかという統語論的テストによってさらに下位分類した。, 動詞「出す」が補助動詞「―出す」になるとき、統語論的には他動詞が自動詞になると言える。「V1出す」が「V1出る」によって置き換えられる語があるからである。(「飛び出す」が「飛び出る」、「吹き出す」「吹き出る」など)。意味論的には、「V1出る」と言える語(「飛び出す」など)については、「出す」という動詞の持つ「外へ」の方向性が抽出され、「V1出る」と言えない語については、「出す」という動詞が持つ「突発性」が抽出されると同時に、空間的動作を表す動詞「出す」が「時間」に抽象化して、「―し始める」という「開始」のアスペクトを表したり(「泣き出す」「降り出す」など)、「―てしまう」という「完了」のアスペクトを表したりする(「生み出す」「作り出す」など)と考える。}, pages = {135--147}, title = {複合動詞「―出す」の分類 : 統語論的・意味論的方法を使って}, volume = {25}, year = {2002} }