@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000698, author = {山田, 奨治}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Feb}, note = {ドイツ人哲学者オイゲン・ヘリゲル(一八八四~一九五五)は、日本の弓道を通して禅を広く海外へと紹介した人物として知られている。しかしながら、彼の生涯の全体像について、とりわけ幼少期と来日前後の活動状況、戦前・戦中のドイツを支配していた国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)との関連については、いまだ明らかではない。本論文では、ドイツ南部にある複数の文書館から見出された未公刊資料をもとに家族歴と来日前後の活動を解明し、へリゲルの生涯の再構成を試みた。  その結果、(1)ヘリゲルは来日以前にハイデルベルクで多くの日本人と接触し、禅に関する知識は大峡秀榮と北昤吉から得ていた、(2)へリゲルを知る者のなかには、彼の人間性に疑問を投げかける者もいた、(3)へリゲルは帰国後ナチスに入党し、エルランゲン大学学長として地方政治に関わったことにより、戦後非ナチ化法廷によって罪に問われ、「消極的な同調者」の判決を受けた、の三点を明らかにすることができた。  資料の分析をとおして垣間みえたことは、ヘリゲルとナチスの関わりを消そうとする力の存在である。この力は彼を精神的な人としてイメージするのに必要な、暗黙の共通意志のようなものである。そういった力こそがヘリゲルのいう「それ」ではないだろうか。  本論の付録として、ヘリゲルの非ナチ化裁判に関する弁明文の参考訳を付した。}, pages = {201--226}, title = {オイゲン・へリゲルの生涯とナチス : 神話としての弓と禅(2)}, volume = {24}, year = {2002} }