@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000703, author = {岩井, 洋}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Mar}, note = {本稿は、明治時代をおもな対象とし、<近代>を新しい<記憶装置>が誕生した時代として描いた、「記憶の歴史社会学」の試みである。ここでいう<記憶装置>とは、人々の記憶や想起の様式を方向づけるような社会的装置であり、それはハードウェア、ソフトウェアと実践からなる。ハードウェアは物質一般であり、ソフトウェアは思想、ルールやハードウェアの操作法などを意味し、実践はハードウェアとソフトウェアを結びつける身体的な実践を意味する。いうまでもなく、それぞれの時代には、それぞれの記憶装置があったはずであり、ここで問題となるのは、その記憶装置の<近代>性である。, 近代の記憶装置を象徴していたのは、明治時代に起こった記憶術の大流行だった。そして、意識的であれ無意識的であれ、さまざまな分野に記憶術の原理が応用され、記憶術の実践を容易にするような道具立ても登場した。たとえば、教育現場では、新しい教授法が導入され、記憶を助けるような、掛け図をはじめとする視覚的な教具が使用された。また、記憶術の基本となる参照系にも変化がみられた。すなわち、五十音配列のリファレンス類の登場や、図書館における新しい分類法の導入、索引システムの開発などである。, <近代>は、文字の配列や分類体系といった参照系の変容と、それと連動したハードウェアの変化、さらには教育を含めた学問体系の変化などがあいまって、大きな<記憶装置>が作りあげられた時代であったといえる。}, pages = {123--142}, title = {<近代> : 記憶装置の誕生}, volume = {23}, year = {2001} }