@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000732, author = {丘, 培培}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Feb}, note = {江戸時代の俳諧と『荘子』との深い関わりは早くから研究者たちの関心をよんだが、その理由解明について、まだ解けていない謎が残っている。なぜ十七世紀の日本の俳人たちは千年以上も前に他の国で作られた、文学作品でもない『荘子』という本に、俳諧の本意を見つけようとしたのか。本稿は、その謎を日本詩歌の古典重要視の伝統に探る。  日本詩歌の古典趣味は詩歌の理論付けにのみならず、作詩の方法と表現体系にもはっきり現れている。本研究は、『古今和歌集』の序から季吟の俳論までのほとんどの歌論俳論が中国の『詩経』から六義を借りて論をはじめるという現象の意義を探究し、典故、本歌、本説の発達に見られた日本詩歌表現の古典への依存を分析して、その古典重視の伝統の末端に生まれた、短詩形と座の文学を特徴とする俳諧がどうして因習を超えようとしていながら、それでもなお古典にたよらなければならなかったかを明らかにする。そして、江戸時代の三大流派、貞門、談林、蕉門の作品から例を引いて、現代記号論の概念を分析の参照系に入れて、十七世紀の俳人たちはどのように『荘子』という古典を基にして、「下位的なもの」と思われる俳諧の文学的地位を確立し、その表現体系を更新させ、俳諧の表現力を豊かにしたかを解明する。江戸俳諧における『荘子』の成功は日本詩歌の古典重要視の伝統に深く関わった。貞門の実用的『荘子』寓言論から、談林の形式的『荘子』本位論を経て、『荘子』という異文化の古典は芭蕉の世界に創造的に生かされ、言葉の遊びに源を発した俳諧を芸術性のたかい、表現力の極めて豊富な詩に昇華させる過程に重要な役割を果たしたと結論づける。}, pages = {261--291}, title = {俳諧の確立と『荘子』 : 日本詩歌古典重視の伝統の観点からの分析}, volume = {20}, year = {2000} }