@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00007478, author = {外川, 昌彦}, journal = {日本研究, NIHON KENKYŪ}, month = {Mar}, note = {本稿は、近代日本を代表する美術家・岡倉天心のアジア美術史に関する認識の転換を、1902 年のインド滞在中のベンガル知識人との多様な思想的交流の経緯を通して検証する。岡倉にとってインド美術史の探求は、ハーバート・スペンサーの社会進化論やヘーゲルの発展段階論に基づく芸術の単系的な発展モデルを克服し、アジア諸美術の「自然な成長」やその相互交渉を捉える視点を与えるものとなっていた。, 本稿では、岡倉がギリシア美術の影響を離れたインド美術の内発的発展という新たな視点を獲得する鍵となる人物が、近代インドを代表するヒンドゥー教改革運動家ヴィヴェーカーナンダであると考え、ヴィヴェーカーナンダとの交流を通して岡倉が、インドの美術や歴史に関わる新たな認識を深めてゆく経緯を、日本とインドに残された当時の資料を対比して検証する。, 本稿の構成は、以下の通りである。第一章は、日本の仏教美術とギリシア美術の類似性という美術史上の争点についての岡倉の視点の変遷を検証し、本稿の課題を位置づける。第二章は、岡倉天心の生涯を検証するこれまでの伝記的研究を整理し、本稿の課題の背景を明らかにする。第三章は、岡倉のアジア美術史観の変遷を、社会進化論やヘーゲル美学の影響を通して検証し、インド訪問後のその視点の変化を検証する。第四章は、岡倉とヴィヴェーカーナンダの相互の影響関係を検証する手掛かりとして、両者の著作に見られる共鳴関係を検証する。第五章は、インド美術に関心を深めたヴィヴェーカーナンダの、当時のインド美術のギリシア起源説への批判的なまなざしを検証する。第六章は、両者の思想的な影響関係を、仏教の伝播や社会変革の思想としての仏教などの論点を対比して検証する。第七章は、インド美術の独自の発展を捉えようとする両者の問題関心の共有を検証し、その影響関係の広がりを跡付けて、まとめとする。}, pages = {39--94}, title = {<研究論文>岡倉天心とヴィヴェーカーナンダの反響するアジア美術史観 : インド美術史論争におけるギリシア起源説と社会進化論の克服を通して}, volume = {60}, year = {2020} }