@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00007482, author = {木場, 貴俊}, journal = {日本研究, NIHON KENKYŪ}, month = {Mar}, note = {狩野派で主に描かれてきた、化物の名称と容姿を個別に並べた「化物尽くし絵巻」と総称される絵巻(狩野派系統本)は、江戸文化特有の作品である。その系譜上に位置付けられる、国際日本文化研究センター所蔵『諸国妖怪図巻』(長岡多門作、18 世紀以降 以下、日文研本)は、詞書(ことばがき)がある狩野派系統本として珍しい作品である。本論は、『諸国妖怪図巻』とそれと関係する詞書がある二巻の絵巻、作者不明『化物尽くし絵巻』(國松良康氏所蔵、18 世紀以降 以下、國松本)と作者不明『怪奇談絵詞』(福岡市博物館所蔵、江戸末期~明治時代)を比較することで、各絵巻の特徴や関連性を考察したものである。, まず、三巻の絵巻に関する基本的情報を概観した上で、比較分析を行った。比較分析の視角は、①日文研本と國松本の詞書、②従来の狩野派系統本には描かれていない化物、③日文研本と國松本よりも成立が遅い『怪奇談絵詞』との関連についてである。, ①については、従来の狩野派系統本で使われている名称の利用を中心に考察を行った。双方ともに狩野派系統本で従来使われている名称を利用した詞書が作成されていた。しかし、その利用については、両者が共通した名称を使っていても詞書の内容が異なるものや、各絵巻で使用する名称に違いがあることが判明した。, ②は、従来の狩野派系統本だけでなく、日文研本と國松本でも共通したものがない、いわば各絵巻の個性ともいえる特徴である。そこに付された詞書に関する伝承の類は確認できなかったものの、参照できる情報は複数確認できた。これから、詞書の全てが作者の創作によるものではない可能性を指摘した。, ③は、詞書の検討を通して、『怪奇談絵詞』が日文研本と國松本のような、狩野派系統本から見れば亜流と位置付けられる絵巻の影響を強く受けていることを明らかにした。}, pages = {159--192}, title = {<研究ノート>国際日本文化研究センター所蔵『諸国妖怪図巻』をめぐって : いわゆる「化物尽くし絵巻」に関する一考察}, volume = {60}, year = {2020} }