@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000751, author = {木下, 尚子}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Jun}, note = {「貝文化」とは、法螺や螺鈿、貝杓子などおよそ貝殻の関与する文化の総体をいう。本稿は、日本列島の先史時代から古代を対象に、貝文化のありようを構造的に把握しようと試みた文化試論である。九州以北の本土地域とサンゴ礁の発達する琉球列島を分け、両者を比較しながら論を進めた。, はじめに貝殻の使用を成立させている貝殻の属性を羅列し、貝が素材として多様な属性を備えていることを指摘した。次に貝殻の使用に二つの文化的評価レベルのあることを述べ、これが先の貝殻の属性に対応していることを示して、以後の分類の枠組みとした。二つのレベルとは「素材としての貝殻」と、「観念の表出手段としての貝殻」である。前者はさらに三段階に、後者は二段階に細別できる。これらにⅠ~Ⅴの通し番号をふり、数値が大きいほど文化的意味が増大する指標とした。こうして本土地域、琉球列島の貝製品についていくつかの代表的類例を示し、それぞれに該当する文化レベルを検討して、両地域における貝文化の概要を示した。, 本土地域では弥生時代以来、極めて目的的に多種の琉球列島の貝類を輸入し、自らの貝文化に積極的に採り入れてきた。しかしⅤレベルの貝文化は、在地の貝を用いた縄文時代の例以外認められず、それ以降の貝文化は徐々に文化レベルを下げながら展開している。これに対し琉球列島では、一貫して自地の貝のみでⅠ~Ⅴレベルの文化体系を作り、さらにこれが基本的には現代まで持続している。, 貝文化を通してみる両地域は、先史時代以来、たがいに異質な展開をしてきたことを明らかにした。}, pages = {11--33}, title = {日本列島の古代貝文化試論}, volume = {18}, year = {1998} }