@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000753, author = {高, 文漢}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Sep}, note = {中巌円月は個性のある文筆僧として、五山文学の隆盛に絶大な貢献をなしている。その文学には作者の波乱万丈の境涯での深い思考、練磨された人生があり、現実社会に即して作られた経綸思想、当時の中国人にも劣らない筆力による意欲的な表現がみられる。彼は帰朝した翌年、ちょうど建武新政を迎えたので、その乱世を治めるために、さっそく実用的な救世策を提起した。それは王権を強化し、兵農を分離させ、絶えず社会改良を推進すると同時に、仁義、中正誠明等の道徳規範を以て、人の貪欲を根絶し、民の心に忠孝礼信を植え付けて、理想的な文治社会を作ることである。そして詩作は、その激しい思想的文学的な変遷に刻まれた烙印が鮮明に付いている。第二次迫害を境目にして、前期には中国の文学観に強く影響されて、数多くの社会詩、孤憤詩が作られ、後期には日本文学の伝統美、禅的精神に満たされ、主として自省詩、山林詩などが詠まれた。いわば日本の文学者中巌がいろいろと試みた挙句、その文学表現は再び日本的美意識に戻ったと言えよう。}, pages = {59--82}, title = {五山文筆僧中巌円月の世界}, volume = {18}, year = {1998} }