@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00007753, author = {クレインス, 桂子}, journal = {日本研究, NIHON KENKYŪ}, month = {Oct}, note = {本稿は、大坂の陣前後の時期に平戸オランダ商館の商務員エルベルト・ワウテルセンが商館長ジャック・スペックス宛に発信した書状を主な史料として、オランダ人が畿内で行っていた商務活動に注目し、その実態を実証的に明らかにすることを目的としている。  まず、開設直後の平戸商館とその販売活動についての概況を把握した後に、ワウテルセンの経歴に関する情報を整理し、本稿における中核的史料であるワウテルセン発信書状とスペックス受信書状綴帳について詳述した。  その上で、ワウテルセンが畿内で行っていた主な商務活動について、大羅紗の販売、宿主との関係、販売商品の対価物を取り上げ、史料から拾い上げた関連記述に基づいて、その実態の把握を試みた。  その結果、大羅紗の販売については、需要が見込まれていたにもかかわらず、大坂の陣による商業活動の混乱の影響と需要の低迷のために、平戸商館が期待していたような結果につながらなかったことを明らかにした。  また、畿内で商務活動を行うにあたってオランダ人が地元の宿主と取り結んだ関係については、両者の間に緊密な協力関係が築かれていたことを示した。宿主が果たしていた具体的な役割として、商館員の派遣先での滞在場所と商品の保管場所の提供に加えて、商務に関する助言、商館から預かった商品の代理販売、取引管理・支援などの役割があった。  さらに、オランダ人が販売商品を売却して得ていた対価物について、主力を注いで獲得に励んでいたのは日本銀であったが、そのほかにも銅や木材などの原料、刀や火縄銃などの武器に加えて、漆器などの工芸品も含まれていたことを明らかにした。  江戸時代初期の商業関連史料がほとんど伝存していないなか、本稿では、オランダ側史料の精査・分析を通じて、日本におけるオランダ人の商務活動の実態のみならず、日本の商業活動の一端をも解明することにつなげた。}, pages = {7--42}, title = {<研究論文>大坂の陣前後における平戸オランダ商館員エルベルト・ワウテルセンの商務活動}, volume = {63}, year = {2021} }