@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00007758, author = {浅野, 秀剛}, journal = {日本研究, NIHON KENKYŪ}, month = {Oct}, note = {筆者は、『浮世絵細見』(講談社選書メチエ、2017年)のなかに「豆男春画の謎」の一節を設け、磯田湖龍斎の代表作である「俳諧女夫まねへもん」について述べた。「俳諧女夫まねへもん」は鈴木春信画「風流艶色真似ゑもん」の続編として企画された、春信判と呼ばれる大きい中判の組物で、版元は西村屋与八(永寿堂)である。横中判錦絵24枚組の作品で、画帖体裁で発売されたことは確かであるが、原装のものは確認されていない。上部に波形があるが、その上は白、右辺に詞書と発句、画中にも詞書と会話体の書入れがある。刊年は、中判の寸法を根拠に明和7年(1770)中と推定される。『浮世絵細見』発表時点で筆者が確認できたのは全体の過半のみで、いつか全体を紹介しなければならないと思っていた。現在も完全な形で確認できたわけではないが、ほぼ全容を把握できたので、全図を紹介する次第である。  通覧すると、「まねへもん」の子という設定と思われる「まねへ」が最初に向かうのは、ねこしま(猫島)、つまり、回向院前などの本所の岡場所である。第2図の六間堀や、第3図の入江町も本所の岡場所であった。第5図の待合宿(貸座敷、出会茶屋の類)も当時は盛んであったらしい。第6~7図で「まねへ」と「おまね」は夫婦になる。第8~12図はおまねの深川見聞、第13図は高輪でのおまね、第14~15図は品川でのおまねで、そこで二人は再会する。第16~21図はまねへの品川見聞、第22~24図はおまねの芳町見聞、そこで二人はまた落ち合って終わりとなる。  この組物は、絵だけではなく、詞書、書入れもすべて湖龍斎の筆と考えられる。それについて詳述はしないが、湖龍斎の春画の大半、また錦絵の画中の文字の多くは湖龍斎の自筆と思われる。}, pages = {163--190}, title = {<研究資料>磯田湖龍斎「俳諧女夫まねへもん」}, volume = {63}, year = {2021} }