@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000779, author = {園田, 英弘}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Sep}, note = {華族は、明治の政治と社会が抱え込んだ矛盾の結節点に誕生した。それは、世襲の特権をどのように見なすかという問題と、深くかかわりを持っている。周知のように、明治維新新政府は武士の身分的特権を廃止し、四民平等の社会を作った。その明治政府が、日本の貴族である華族を形成したのである。そこには、特別の理由がなくてはならない。  フランス革命以降、西欧において貴族は社会に深く根を張った自然的生成物ではもうなかった。しかしながら同時に、貴族は過去のたんなる遺物ではまだなかった。それは政治的作為を加えても、貴族を維持したり新たに作り出すような存在であった。ヨーロッパで貴族廃止令が何度も出されているにもかかわらず、貴族が復活するのはなぜなのか。このことは、明治政府の担当者の頭を悩ました。貴族のこのような過渡期的性格を一方で念頭に入れつつ、他方で日本の現実を直視したところに生まれたのが、高度に政治的人工物である華族という政治的身分であった。それは、社会的実力を国家が承認する貴族ではなく、国家権力によって人為的に作り出された社会階級ということを意味していた。}, pages = {73--85}, title = {華族論}, volume = {16}, year = {1997} }