@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00007912, author = {張, 小栄}, journal = {日本研究, NIHON KENKYŪ}, month = {Oct}, note = {「王道主義」は「満洲国」建国過程で唱えられた統治理念である。満洲事変(九・一八事変)後に、関東軍のイニシアチブのもとで進められた建国工作では、主として現地文治派指導者、関東軍に随伴する植民地統治のイデオローグである橘樸や野田蘭蔵等「理念派」および満鉄実務官僚出身の上村哲弥等「実務派」が相互に絡み合いながら統治理念の形成に関わった。  橘樸や野田蘭蔵等「理念派」は、現地文治派指導者の政治的主張を取り込みつつ、中国の伝統的儒学思想を淵源とする「大同の世」の理想的社会像を「農民自治」に見出しつつ「王道方法論」を構築した。しかしそれは、関東軍の「満洲国」統治を正当化する論理にとどまり、実質的な内容を持たない理念となった。  これに対して、上村哲弥らによって代表され、金子雪斎の満蒙経営論からの思想系譜をもつ実務派は、大正期から「王道主義」を唱え、中国の東北地域における長年の「満蒙経営」、なかんずく教育実務者としての経験から、その教育政策立案を通じて政治的具体化を目指した。しかしその重要性にも拘わらず、従来上村等は「王道主義」の文脈では重視されてこなかった。  そこで本稿では、「満洲国」の統治理念として唱えた「王道主義」をいかに認識し、いかに教育政策に反映させようとしたのかを検討する。}, pages = {243--280}, title = {<研究論文>「満洲国」建国構想における理念派と実務派の「王道主義」}, volume = {65}, year = {2022} }