@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000799, author = {大野, 晋}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Dec}, note = {第一段階として、大野はタミル語と日本語の間の、音韻法則に支持された五〇〇語の対応語と二〇語の文法的morphemesのリストを提示し、タミル語と日本語とは同系であるという仮説をたてた。第二段階として、その対応語の内容を分析して、農作物名・農地・金属・機織・墓制に関係する三〇語が含まれていることを示した。これらの文明が日本で初めて出現したのは弥生時代(B.C.五〇〇~A.D.三〇〇)である。南インドではMegalithic Culture (B.C.一〇〇〇~A.D.三〇〇)の時期にそれらと同じ文明がすでに行われていた。考古学的調査によると、Megalithic ageの墓制と、日本の北九州の弥生時代の墓制とはほぼ共通である。これらによって日本とタミルとに関係が生じたのは、B.C.五〇〇~A.D.三〇〇の間のことと推定した。  長田俊樹氏はこの論を否定すべく次の点をあげた。  ① タミル語の母音uが日本語ではuとöの二つに対応するのは変だ。  ② 大野はDEURに載っていない意味によって単語を比較している。  ③ 対応語としては人体語を使うべきだ。  ④ 対応語のなかに疑わしいものが六語ある。  大野は次のように、そのすべてに弁駁した。  ① 母音u~u、öの対応については、長田氏が古代日本語の母音の体系を知らない結果、当日の大野の説明が理解できなかったにすぎない。②DEURには省かれたがTamil Lexiconに載っている語義を大野は使った。長田氏はDEURが抜粋本であることを知らずに発言した。③五〇〇語のなかには人体語が一五語含まれている。④長田氏が疑わしいとした単語六例は、すべて大野によって明確に説明された。  大野は山下博司氏の批評に対して、まず、山下氏の祖語・祖形の過信を批判した。山下氏は大野の助詞の研究を批判し、非難したが、山下氏はSangam Tamilの助詞を自分で採集し、意味分類をしていない。批判は自分で研究した結果をもって批判すべきである。山下氏は大野のpaţukar, ponkal, cīţay, vēlの意味の理解は誤りで不当だと論難したが、大野はそれらの古い用例や意味を示し、山下氏の非難が的はずれであることを明らかにした。山下氏は「問題の語と語義」という欄に五三語をあげて、大野の対応語に対して疑問であるとした。大野はそれらすべてについて用例と語義を提示していかに対応するかを明らかにした。}, pages = {247--186}, title = {<フォーラム>「タミル語=日本語同系説に対する批判」を検証する}, volume = {15}, year = {1996} }