@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000829, author = {伊從, 勉}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Jun}, note = {沖縄本島東方海上の久高島は、琉球王国国家祭祀上の聖なる島であった。時代の変化を蒙りながらも、現在でも王国時代以来の巫の司祭により、沖縄地方でももっとも頻繁な年中祭祀を実行している。「七マッティ」と呼ばれる主要祭祀と他のいくつかの地方祭祀の時に、集落内の主要祭場のひとつ外間拝殿の内部に、「アカヤミョーブ」という赤い天蓋が張られる。ミョーブとは、その実態に反して、実は「屏風」の意味がある。  本稿は、屏風の天蓋による置き換えであるこの事例を、久高島における王府儀礼の祭場舗設の伝統の名残と解釈する。それは、次のような考察の過程を経て行われる。  即ち、久高島の年中祭祀における祭場舗設を概観し、祭祀歌謡に歌われる舗設と実態の対象やずれを観察する。他の地方の祭祀舗設の事例を祭祀歌謡のなかに探る。王府儀礼の祭場舗設を現存する祭祀記録のなかに探索する。王府祭祀に深く関わった久高島の巫職が、王府儀礼の祭場舗設を伝えた可能性、さらには、一六七七年まで大君が島の祭祀に直接関わった歴史的事実は、王府儀礼の様式が島に直接的に伝播した可能性を示唆している。  他の地方の祭場舗設の様子(祭庭での天幕の使用など)と比較することによって、十八世紀以降の公儀祭祀の標準化の傾向とは異なった文脈の中に、アカヤミョーブは位置づけられる。それ以前から王府祭祀の影響が島に及んでいたことは、旧公儀祭祀のなかにではなく、島のローカルな祭祀の中にその影響の痕跡が観察できることが示している。  仮説的な舗設に関する沖縄の祭場の特徴は、久高島の外間祭庭(殿)と御殿庭神アサギという常設祭場の使用状況を比較することにより、常設の神アサギという祭祀小屋が、むしろ仮設天幕の常設化であると解釈する道を開く。その点で、筆者が行ってきた沖縄地方の祭場における現象的側面の一連の考察の一部をなす。}, pages = {121--157}, title = {<共同研究報告>祭場の赤い天蓋と白い天幕 : 沖縄久高島の年中祭祀祭場に見る琉球王国祭祀祭場舗設の影}, volume = {12}, year = {1995} }