@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000888, author = {長田, 俊樹}, journal = {日本研究}, month = {Sep}, note = {筆者は、ムンダ人の言語であるムンダ語を研究するために、インド・ビハール州ラーンチー市に六年あまり滞在した。ムンダ語はビハール州南部、およびそれに隣接するオリッサ州に約七五万人の話者を有する。筆者は在印中、言語データばかりでなく、ムンダ人の民俗誌に関するデータをも収集する機会があった。そこで、できるだけ詳細な民俗誌データを記述するのが本稿の目的である。  まず最初に、ムンダ民俗誌に関連したいくつかの問題点を論じる。具体的には、以下の四点である。  (1) 民俗誌記述の枠組みの提示。  (2) インドにおける「部族」概念の検証。  (3) シュリニヴァスの提唱する「サンスクリット化」を、ムンダ人の観点から再考。  (4) チョターナーグプル地方における先住民と他所者の対立を分析する、新しいモデルの提唱。  結論として、これからの民俗誌記述の枠組みを以下のごとくまとめる。  (1) 筆者の記述は言語学の立場を堅持する。つまり、ムンダ語の語彙研究を出発点として、語彙の総体として現れてくる民族文化を記述する。  (2) 筆者はあいまいな用語で、しかも植民地と結びついた「部族」という用語を使用せず、「少数民族」という用語を使う。  (3) 筆者はムンダ人の社会変動を「ディク化」(ディク=他所者)という新しい用語で呼ぶことを提案する。従来の「サンスクリット化」はヒンドゥーによる自民族中心主義であって、少数民族にこの用語は適しない。また、この「ディク化」の具体的な指標、言語、名前、あいさつなども同時に提唱する。  筆者は新たに、伝統的ムンダ社会に代表される「自然志向型社会」とヒンドゥー、ムスリム、クリスチャン社会などを表す「規範指向型社会」という用語を導入する。この分類はアイデンティティの基本要素を使って、表を用いて例示する。また、「自然志向型社会」から「規範志向型社会」への歴史的過程を「ディク化」とみなす。}, pages = {264--231}, title = {<研究ノート>ムンダ民俗誌ノート(1) : 序説}, volume = {9}, year = {1993} }