@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000896, author = {河合, 隼雄}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Mar}, note = {『風土記』には、昔話の主題となる話が多く語られている。それより時代の下る中世の説話集にも多くの昔話の主題が認められる。ところが、『風土記』には認められても中世の説話集に認められぬもの、あるいはその逆のものなどがあり、それらを比較してみると、日本人の心の在り方が時代によって変化してゆく様相の一面が把えられ、また、日本の昔話の成立過程などを考える上で興味深い。  本論文は、以上の観点から、『風土記』のなかに認められる昔話の主題となるものを、丹念にひろいあげ、それらをある程度、項目に分けて論じたものである。多くの主題のなかで、変身、特に白鳥と蛇が人間に変身するもの、および、夢についてはまとめて論じ、後は個々の主題を取りあげて論じている。  白鳥が乙女になる話は全世界に分布していると言っていいほどである。それが『風土記』には認められるが、中世の説話集のなかでは姿を消しているのが特徴的である。また、動物が変身して人間と結婚する話において、後世になると、動物が何らかの意味で報恩のために行為することが多くなるが、『風土記』には動物の報恩という主題がまったく認められない。以上のことは、『風土記』には仏教の影響がほとんど認められないためではないかと思われる。また、継子いじめの主題が『風土記』にあらわれないのは、母系的な家族構成のためではないかと推察される。  その他、個々の主題に関しても取りあげておいたので、昔話研究者が比較研究を行なう上での便宜となろうと思われる。}, pages = {11--27}, title = {『風土記』と昔話}, volume = {7}, year = {1992} }