@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000921, author = {鈴木, 貞美}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Oct}, note = {日本文学、特に近・現代小説の特殊性をめぐる議論について、曽根博義氏の「昭和文学史Ⅱ 戦前・戦中の文学 第二章小説の方法」(小学館版『昭和文学全集』別巻)を取り上げて検討する。曽根博義氏は、昭和十年を前後する時期における小説の方法的追究のうち、横光利一の「四人称」の提唱と、太宰治や石川淳の前衛的な一人称の試みを、「主格が曖昧な日本人の自意識」と「超越的主体を持たない日本語の話法」と関係づけて論じている。ここにあるのは、当代の表現意識及び自意識の問題についての歴史性の閑却と、ア・プリオリに想定された「日本人の自意識」及び「日本語の話法」への還元主義である。その背後には、西欧の「近代的自我」と「客観的レアリスム」を基準として文芸を価値判断する”近代主義”があり、さらにその根本には、発展段階論的な一国文学史観に基づいて第二次大戦後に形成された”近代化主義”がある。  この問題は、日本における小説の方法の二〇世紀的な追究として論議すべきであること、とりわけ前衛的な一人称による饒舌体には、落語や戯作などの伝統的話法の汲み上げがあり、そこにこそ日本的特殊性が見られることを明らかにする。また、すでに江戸期の小説において場面超越的語り手が成立していることを示し、井原西鶴以来の日本の小説話法を検討すべきことを提起する。}, pages = {173--205}, title = {<研究ノート>日本の小説話法の特殊性をめぐって : 曽根博義「小説の方法」批判}, volume = {5}, year = {1991} }