@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000938, author = {中西, 進}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Sep}, note = {この論文は、『源氏物語』が『白氏文集』をどのように引用するかを考察したものである。  一 「夕霧」に引用された「李夫人」は、愛の因縁に対して好色を戒めたものであった。  二 「総角」に引用された「李夫人」は、愛の因縁が生死をこえることを言うためのものであった。  三 「宿木」に引用された「李夫人」は、形代としての浮舟の登場を確実なものとすることに用いられた。  四 「東屋」に引用された「李夫人」は、李夫人の反魂や絵による再現を、形代願望と同様だと考えたものである。  五 「蜻蛉」に引用された「李夫人」は、反魂の思想を「うつし」に応用したものである。  以上、「李夫人」の引用は、この詩がテーマとする愛の不可避を、作者周辺の愛の因縁や形代に重ねたものであった。  六 「手習」に引用された「陵園妾」は、女主人公のこもる世界を死に近い世界として設定するためのものであった。  七 「若菜上」に引用された「井底引銀瓶」は、やがて悲劇的な局面を迎える女主人公に、伏線としての危惧を暗示するものであった。  八 「手習」に引用された「古塚狐」は、恋愛への戒をもって『源氏物語』の末尾をしめくくろうとしたものである。}, pages = {133--160}, title = {引喩と暗喩(三) : 源氏物語における白氏文集、「李夫人」など}, volume = {3}, year = {1990} }