@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000948, author = {鈴木, 貞美}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {Mar}, note = {文芸作品を研究の対象とし、また他の分野の研究の素材として用いるに際して、不可欠なのは、作品を作品として対象化する態度の確立である。  かかる態度の端緒は、時枝誠記『国語学原論』によって開かれているが、その基本は、言語を人間の活動性において把握しようとする立場にある。  この活動論的契機を芸術一般論に導入し、作品を作家の主観へ還元する近代人格主義的芸術観を批判しつつ、芸術活動の本質をなすものは、虚構を美的鑑賞の対象として扱う鑑賞的態度であると仮定する。  次に、時枝言語論を芸術論へと拡張し、表現を認識の逆過程とする三浦つとむ「表現過程論」を批判的媒介とすることで、芸術活動の目的が鑑賞者の美的規範に働きかけるものであること、作品制作過程に「作者と鑑賞者の相互転換」の運動が成立していること、及びその運動の成立する”表現の場所”における転換構造の分析を行う。  さらには時枝言語論、吉本隆明『言語において美とは何か』の根本概念について活動論的な検討を加えて、文芸表現活動の特質が、芸術活動と言語活動の二重性をもつ以上、作品を作品として対象化する態度の基本は、その虚構性と文体性を結合する表現主体の「方法」の把握にあると主張する。}, pages = {139--170}, title = {文芸表現論のかたへ}, volume = {2}, year = {1990} }