@article{oai:nichibun.repo.nii.ac.jp:00000957, author = {中西, 進}, journal = {日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要}, month = {May}, note = {この論文は「源氏物語」が「白氏文集」をどのように引用するかを考察する。  一 「夕顔」に引用された「凶宅」は、源氏の権勢欲が夕顔を殺したことを強調するものである。  二 「蓬生」に「凶宅」を引用することによって、作者は栄華とその後との対照を試みた。  三 「帚木」における「議婚」は白詩を批判することによって結婚のむつかしさを強調する。  四 「末摘花」における「重賦」は女の生活の背景に貧しい農村をしのびこませようとしたものである。  五 「胡蝶」における「傷宅」は大邸宅の華麗さとその背後の衰亡の運命への見通しを示そうとしたものである。  六 「夕顔」に「不致仕」を引用することによって、両者の老人像をだぶらせようとした。  七 「行幸」における「不致仕」は老醜を感じつつ致仕するか否かを悩む源氏を描くためである。  八 「若菜」(下)の「不致仕」は一、太政大臣が致仕する場面のものは、大臣の進退のりっぱさを述べようとするものと二、柏木を通して語られる場面のものは致仕をめぐる源氏の心の戦きを描くためのものである。  九 「夕霧」の「不致仕」は源氏が生命への執着を捨てようとすることを強調する。  一〇 「手習」の「五絃」は流行おくれのものの是非を論ずるためのものである。  一一 「胡蝶」の「海漫々」は六条院を蓬莱に見立てるための引用である。}, pages = {107--136}, title = {隠喩と暗喩 : 源氏物語における白氏文集、「凶宅」など}, volume = {1}, year = {1989} }